イスラムにユーモア・センスはあるのか?

それにしても何と挑発的なタイトルをBBCは付けたのだろう。


BBC NEWS | UK | Magazine | Does Islam have a sense of humour?


記事を読めばもちろんタイトルを否定する内容なのだが、
BBCがこういうタイトルで記事を書くこと自体
イギリス(もしくは欧州、西洋と言い換えることも可能だろう)の中に
イスラムに対する強烈なステレオタイプが存在することを想起させる。
これはムスリム人口が着々と上記の地域で増え続けながらも
必ずしもムスリムたちが社会にうまくintegrateされておらず、
またマジョリティーステレオタイプを払拭できるほど
ムスリムたちと交流を果たせていないということの表れなのかもしれない。
それゆえ爆弾テロ事件やCartoon事件、『悪魔の詩』事件など
イスラム教徒やイスラムの教えにリンケージするような事件が欧州で起こると
それがさもイスラムの教えの根本に起因し、
ゆえに全ムスリムをrepresentしているが如くに捉えられてしまい、
ステレオタイプを増幅して固着化させてしまう方向に機能してしまうのだと想像する。


多分ムスリムたちと日々仕事や生活上接している人なら分かると思うけれど、
笑いを好むという性癖は当然ムスリムも強くもっている。
この記事の内容を読まずにタイトルの質問だけされたら、
あまりにリアリティーを欠落した質問ゆえに
隠された意図が何なのか勘ぐってしまうか、
もしくは全くの無知なのかと蔑んでしまうかもしれない。
もちろんアフガン人、日本人、西洋人等々の間で
ジョークの質、語り方、笑いのつぼは異なるわけで、
それは裏返して言えば何をタブーと見るか、
文化的・社会的・歴史的コンテクストによって
そのboundaryは異なるということと重なる部分があるだろうし、
笑いのつぼの違いも含めたそういった違いは日々感じるところではある。
とまれ、イスラムにだけ「犯人」探しをするような語りかたは
物事が生起するまでの多面的な背景を見誤らせるだろう。


余談ではあるが、
それでも個人的体験では男性間に限った話で
下ネタというのは万国共通のような気がする。
ただし最初から飛ばしすぎるのはまずいけれど。