ほんまかねぇ、このPollの結果は。

アメリカのWorld Public Opinionというウェブサイトで"New WPO Poll: Afghan Public Overwhelmingly Rejects al-Qaeda, Taliban"というアフガニスタン世論調査が発表された。

世論調査の概要
http://65.109.167.118/pipa/articles/home_page/155.php?nid=&id=&pnt=155&lb=hmpg1

要点の一つは、アルカイーダやタリバンを支持するアフガン人の割合が少ないというもので、普段私が接しているアフガン人同僚たちの話とそれなりに符合する。

ただ、私が意外に感じたのが、サブタイトルにもあるように、アメリカやISAF、国連のプレゼンスを支持している人の割合である。Questionnaire/Methodologyを参照していただくと分かるのだが、アメリカやアメリカ軍への支持を表明している人の割合は8割を優に超える。またもう一つ興味深いのは、カルザイ大統領への支持率であり、9割を超える。

Questionnaire/Methodology
http://65.109.167.118/pipa/pdf/jan06/Afghanistan_Jan06_quaire.pdf

なぜ私がこの結果を意外に思うのか?

一つ目に、アメリカ軍を中心とする連合軍に対するアフガン人の反感や懐疑の念は、私の知る限りそれなりに深いものがある。彼らのプレゼンスを心底歓迎しているアフガン人に私は今まで出会ったことがない。またカルザイ大統領に対しての支持率も、9割という数字には驚きを禁じえない。

二つ目に、この世論調査の手法になんらかの問題や恣意性があった可能性も否定できない。誰がどのように質問をしたのか。本音を語りづらい経緯がなかったか。アメリカの大学がこのPollを実施しており、その国籍が回答者にバイアスをかけた可能性はなかったか。

ただし、私の実感というのも限られた数のアフガン人と接した中で培われたものであり、また恣意性に関してもあくまで可能性を述べたに過ぎない。この世論調査がむしろ実態をより正確に反映したものであるならば、支援活動を行っている者にとっては胸をなでおろしたくなる結果ではある。

だが、仮にこの世論調査の妥当性が高いものだとしても、少数派の過激な活動は一部地域で続いているわけで、安堵するのは木を見て森を見ずならぬ「森を見て木を見ず」との謗りを免れない。