歯医者体験

ここ2〜3日前から急に歯痛が始まり、今日は物を噛むのも難渋するほどだったので、歯医者に行くことにした。とはいってもアフガニスタンで信頼に足る歯医者はほとんどない。ところがたまたま同僚のドイツ人も歯医者に今日行くという。しかもドイツの駐留軍付けの歯医者に行くというではないか。本来、日本人である私はそこに行くどころか、駐屯地に入ることも許されないのだが、懇願して便乗させてもらうことにした。

歯医者は簡素ながらしっかりした設備が整っていて、さすが堅実の国ドイツ!と唸った。症状は結局虫歯ではなく、歯茎に原因があるか、もしくはまだ抜いていない親知らずのせいかもしれないとのことで、今日はとりあえずレントゲン撮影と歯の清掃のみの処置だった。料金はどのような処置も定額60ユーロ。これを高いと見るか安いと見るか。しかし医療事情の貧しいアフガニスタンで、背に腹は変えられない。

しかし歯医者体験以上に私にとって興味深かったのは、駐屯地の中の様子だった。当たり前だが、軍服を着た兵士ばかりが闊歩しており、至るところに最新鋭のドイツ装甲車が配置してあり、戦争映画のシーンを髣髴させた。兵士は厳つい者もいれば、まだ高校を出立てではないかと思わせる若くて純朴な表情の者もおり、こんな若い子がどんな気持ちで危険な任務を果たすため遠路はるばるやってきているのか、話しかけてみたい気持ちになる。