謹賀新年

この場を借りまして、皆さんへの新年のご挨拶とさせていただきます。


彼是日本での年末年始を過ごせなくなって5年が経ちました。
最後に年末年始を日本で過ごしたのは2002年だったと記憶しています。
さすがにこれだけ遠ざかってしまうと、
日本の正月風情やおせち、雑煮、紅白、往く年来る年、駅伝などが
とても恋しくなります。
とはいっても2002年の正月に何をしていたのか全く記憶になくて、
いたらいたで退屈しているのかもしれませんね。
こちらではささやかながら友人たちと年越しそばを食べて、
年末気分を味わいました。


私の個人的状況を振り返ると、
昨年は仕事では諸々の理由からあまり十分な成果が出せず、
非常に忸怩たる思いを抱えておりましたが、
プライベートでは結婚があったり、
かみさんの妊娠が判明したり(予定日は今年6月だそうです)、
嬉しいことが重なりました。
それからネット上で友人・旧友の皆さんから連絡を頂いて
お互いの近況を知ることができるようになったことも、
大変刺激的でしたし、励みになりました。


私の関心分野では、
年末にフセイン元大統領が処刑されたことがひとつ象徴的でしたが、
混乱が中東のみならずアフリカ・アジアにも依然として広く見受けられ、
超大国アメリカも事態を収拾するだけの有効策を欠いている状態で、
残念ながら混沌が落ち着いていく大きなうねりのようなものは
当面出てこないと推察しています。
自分の仕事と照らし合わせて鑑みるに、
このような国際・国内政治的・社会的諸条件が非常にネガティブな環境の中、
一体どのような活動、企てをすれば、より効果的なプロジェクトになるのか、
はたまた何を持って「効果的」と言いえるのか、その指標はいかに設ければいいのか、
結局私が関与しているプロジェクトは
最もクリティカルな部分に手をつけることはできず、
常に周辺をいじらされているに過ぎないのでは、
と考えさせられた昨年一年でした。
また効果測定の難しさや、関係者調整に膨大な時間をとられてしまうという問題は、
political-orientedなプロジェクトの宿命なのかもしれません。


あまり明るい話題を提供できず、申し訳ないです。皆さんの正月気分を壊さなければいいのですが。。。
それでは今年も皆さんにとって幸多き年となるよう、お祈り申し上げます。


平成19年元旦 カブールにて 芹沢智一