タリバン穏健派との和解の模索

アフガン政府およびそれを支持する国際社会が
タリバンとの関係に対してどのように折合をつけるか
という難問に関して、
ここ最近読んだ論説の中では
背景や検討すべきポイントがよくまとまっているなぁと思った。


http://www.cacianalyst.org/newsite/?q=node/4595


興味深いのは筆者が故マスード司令官の元側近、
つまりタリバンと対立していた側にいた人であり、
そのような人がタリバン穏健派との和解を強く主張している点だ。
畢竟マスードを擁護する論調になっている点は否めないけれど、
マスードタリバンとの和解を文字通り体を張って模索していた件など
今のパンジシール閥のリーダーたちは
どのようにそのメッセージを読み取るのだろう。


ただし筆者も認めているように、
タリバン穏健派の「誰」が正統性を持つのか、
つまり交渉相手として相応しい穏健派とは誰なのか
を見極めるには困難を要するだろう。
おそらく穏健派と強硬派の区分けは何となくはあっても、
はっきりと二つに分かれているようなものでもないだろうと推測できるからだ。
しかもタリバンとはそもそも運動の総称であり、
かっちりした構成を持つ組織ではないという論がある中で、
誰が穏健派の代表足りうるのか、
言い換えればその他の穏健派や兵士・支持者たちを
政府との和解へと仕向けるに足りる指導力・影響力を持つような者が
穏健派にいるのか(そんなことはトップのオマール師にしかできないのでは?)
そんな人物を穏健派内に探そうとすることは、
ある意味雲を掴むような話なのかもしれない。